新着情報 NEWS
2024年10月15日
CEATEC 2024に出展します.
■2024年10月15日(火)~18日(金)
■幕張メッセ
■「音声マルチスポット再生技術」展示エリア
General Exhibits 小間番号:7H545 (ホール7)
2024年10月15日
ウェブサイトを更新しました.最新型のスピーカをご覧いただけます.
2024年10月11日
KCN京都にて「音声マルチスポット再生技術」が紹介されました.
YouTube (10:10〜10:40辺り)
2024年10月3日
テレビ大阪にて「音声マルチスポット再生技術」が紹介されました.
YouTube
2024年7月1日
国立研究開発法人科学技術振興機構の広報誌「JSTnews」の2024年7月号にて、「音声マルチスポット再生技術」が紹介されました。
[リンク]
プロジェクトの概要 OVERVIEW
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技術の特徴
通常は全方向に広がる音波のうち、本技術は多数のスピーカを用いて不要な部分を打ち消して聞こえなくすることで、特定のエリアにだけ音を届けることができます(局所再生)。1つのエリアだけではなく、複数のエリアへ違う音声を出し分けることも可能です(マルチスポット再生)。超音波を使用しないので、健康被害はなく、音の劣化も最小限に抑えられます。
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応用例
特定の場所のみに聞こえるアナウンスを流す、複数人に別の音を流す等が可能です。また、NICTで研究開発している同時通訳技術と組み合わせ、リアルタイム翻訳した合成音声を言語ごとに出し分けることも可能です。音を利用したエンターテインメントにも応用できます。
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求めていること
NICTの中で生まれたこの技術は、実際の現場に置かれて初めて世の中を変えることができます。「音声マルチスポット再生技術」を社会実装し、共に「新しい音空間」の創造に取り組んでいくパートナーを募集しています。
動画で内容を知る MOVIE
▲クリックすると動画が再生されます
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音声マルチスポット再生技術とは TECHNOLOGY
聞こえる場所と聞こえない場所を自由に作る音空間制御技術
「音」というものは空気の振動のため、通常は全方向に広がります。「音声マルチスポット再生技術」は、全方向に広がる音波の一部を打ち消して聞こえなくし、特定の方向だけに音を届ける「局所再生」や、それを組み合わせ複数のエリアにそれぞれ別の音を伝える「マルチスポット再生」を可能にする技術です。
複数のスピーカを用いて各スピーカが発する音同士を相互干渉させるのが基本的な仕組です。音波の伝搬現象を表す波動方程式に基づいて各スピーカの再生信号を算出し、再生することにより、「聞こえるエリア」のみに音波が届き、「聞こえない場所」と定義されたエリアへ広がる音波を打ち消すことができます。
「マルチスポット」と呼ばれるのは、「聞こえる場所」を複数設定できるからです。例えば、通常のスピーカを4方向へ向けて設置し、各スピーカから異なる音を流したとします。スピーカは前方だけでなく、その他方向にも音が広がるため、音同士が混ざって聞き取りづらくなります。
円形に配置した複数のスピーカ(試作機では16 ch)と「マルチスポット再生技術」を用いて4エリアにそれぞれ音を流すと、届けたいエリア以外に広がる音を打ち消すことができるため、ある場所では音声Aのみが聞こえ、ある場所では音声Bのみが聞こえる、というように任意の場所に任意の音のみを届けることが可能になります。
4エリアに限定されず、機器と制御システムの調整により1エリア〜多エリアに対応可能です。また、エリアを制御するのではなく、スピーカの近くでのみ音が聞こえ、少し離れると音が聞こえなくなるような近傍エリア再生技術も現在研究中です。
技術の特徴 FEATURE
高音質かつ高精度で狙ったエリアのみに音を届けられます。
超音波を使用しないので健康被害の概念もありません。
特定の方向のみに音を届ける既存の技術としては、超音波を用いた指向性スピーカがあります。指向性(特定の方向に進む性質)が高い超音波の性質を利用して音を届けるものです。
超音波スピーカは音のひずみや音飛びが発生しやすく、また人間には聞こえないが150 dB程度の大きな音を発しているため、人体への健康被害や可聴域の広い動物への影響が懸念されます。
「音声マルチスポット再生技術」は、音源を通常通りスピーカで再生しているため音が劣化しません。また、大音量ではないため、健康被害や動物への影響もありません。
約18cmまで小型化した試作機を製作済み。
実際にご覧になりたい方はお問い合わせください。
「音声マルチスポット再生技術」を用いて再生を行うには、円形または直線形に並んだ複数個のスピーカを用います。より多くの場所で手軽に導入できるよう、スピーカアレイの小型化にも取り組んでいます。
以下の写真は、北日本音響株式会社と共同開発した小型円形スピーカアレイの試作機です。3.2 cmのスピーカ16個を円形に配置しており、直径約18 cmまで小型化しています。NICT小金井本部にて、音声マルチスポット再生の実演デモを行うことが可能です。実際に体験したい方はお気軽にご連絡ください。
以下の写真は、幅3.2 mの64 ch直線アレイスピーカです。円形アレイでは再生エリアを放射状に切り分けますが、直線アレイでは水平方向に切り分けられます。
機材をこの大きさまで小型化できることは試作機で実証できているので、今後は協業パートナーの皆様と共に、さらなる小型化・高音質化に取り組んでいきたいと考えています。
「VoiceTra」で使われている多言語音声翻訳技術との連携やタブレット端末
からのリアルタイム制御にも対応。より幅広いシーンに応用可能です。
多言語音声翻訳技術等の外部技術やタブレットによるリアルタイム制御と組み合わせることで、利用の幅がさらに広がります。
「VoiceTra」は音声認識したテキストをAIにより多言語翻訳し、音声合成でそれぞれの言語を発話するアプリです。音声合成技術は本技術の開発者である岡本が開発しており、最先端のニューラルネットワーク技術を用いて、自然音声とほぼ同等の音質でのリアルタイム合成を実現しています。
例えば、アナウンスやスピーチの内容を、多言語音声翻訳技術を用いて多言語に翻訳し、合成した音声を「音声マルチスポット再生技術」で多エリアへ局所再生することで、聴衆は立つ場所によって聴きたい言語を選ぶことができる、といった応用例が考えられます。
- 「VoiceTra」は実証実験段階で使用可能であり、商用利用については別途ご相談ください。また、「VoiceTra」技術を活用した民間製品・サービスもございます。
また、タブレットやスマートフォン端末からの操作で局所再生する音源やエリアをリアルタイム制御することも可能です。聞く人が動かなくても手元の操作でエリアを動かすことができます。
提供する価値 VALUE
イヤホンやヘッドホンも使わない“完全非接触”。
ニューノーマル社会に貢献
従来、特定の人にだけ音声を聞かせたい場合にはイヤホンやヘッドホンが用いられてきました。「音声マルチスポット再生技術」を用いて特定エリアにのみ音声を流せば、非接触で実現できます。
ニューノーマルの生活習慣に対応すると共に、機器を着用してもらうことの難しいケース(不特定多数向け、人間以外向け等)でも使用可能です。
通常のスピーカ再生と変わらない音質で再生可能。
エンタメの未来を創造
「音声マルチスポット再生技術」での再生は、範囲外へ広がる音を消す以外は通常のスピーカ再生と変わらず、局所再生のための処理による音質の劣化はありません。歌や楽曲のエンターテインメント等、高い音質が要求されるシーンでの使用にも活用可能です。
[目指している技術] 聞かせたい範囲の外には音を漏らさない。音空間制御でDX社会に貢献
この技術が実現すると、スピーカから発せられた音は、設定したエリア外では聞こえなくなります。周囲への影響を気にせず、限定されたエリアや様々なエリアに音を届けることができます。
これにより、様々な国籍の人へ多言語で同時にアナウンスを流したり、エリアを分けて別の音声情報を提供したりなど、今まで人的作業を必要としていた場面のDXに貢献します。
応用例 SEEDs
大規模展示会のブースで…
ブース内や売り場内に限定してアナウンスや音声を流せば、他の場所に聞こえることがありません。他所への音漏れや、音同士が混じって聞こえづらくなることを気にせず、PR用音声やアナウンスを流すことができます。
ゲームセンターやエンター
テインメント施設で…
音の出るゲームやコンテンツが多数あっても、それぞれが聞こえる範囲を限定すれば音が混じりあうことがなく、コンテンツに集中することができます。ゲームの音で店内放送(迷子の呼び出しアナウンス等)が伝わりにくくなることもありません。
また、タブレット操作によるリアルタイム制御をゲームやコンテンツのギミックとして利用することも可能です。
自動運転車での利用に…
今後、普及が見込まれる自動運転車において、座席エリアごとに流す音を変えることで新たなコンテンツやモビリティサービスに応用することが可能です。
例えば、運転手にはナビの音を流し、他の方には音楽や映画の音を流すなどといったことも可能だと考えています。
工場や工事現場などの
危険な場所で…
工場や工事現場などの特定の危険エリアに訪れた人に対しアナウンスを流すことで、事故や怪我の防止につなげることができます。
また、目の不自由な方が危険エリアを識別しやすくなるなどの利点も考えられます。
パートナーと一緒に行いたいこと MESSAGE
組織概要 ABOUT
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、情報通信分野を専門とする我が国唯一の公的研究機関です。情報通信技術の研究開発を基礎から応用まで統合的な視点で推進し、同時に、大学、産業界、自治体、国内外の研究機関などと連携して、研究開発成果を広く社会に還元し、イノベーションを創出することを目指しています。